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イラストの線画の雰囲気を出すには、線の描き方を変えよう!

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。

線の描き方と印象、表題

線の描き方と印象の記事、表題

線画は線の描き方・引き方ひとつで、印象・雰囲気が変わる。

イラストを描くとき、どんな感じで線を描いていますか。
練習やラクガキなどでは、あまり考えずに描いていると思いますが、線画を仕上げるときなどはどうでしょう?

初心者さんの場合はまだ、「仕上げる」ということをやったことがないかもしれませんね。

大好きな絵の模写でもなんでもいいので、ひとつの絵を「仕上げる」ということをやってみましょう。
絵を「仕上げる」という意識を持って描いていると、なにも考えずただ絵を描いているより、よほど上達は早いです。

せっかくイラストを描くならば、線の引き方を考えて描いてみましょう!
線の引き方を意識して変えるだけで、雰囲気も印象も、これまでと違ったものができあがりますよ。

今回は、線の描き方によって、イラストがどんな風に見えるのか
ということについて書いていきます。

※網掛けなど、トーンとしての線の描き方については、今回は除外します。

線の描き方の違いと雰囲気の違い

「線」と一口で言っても、その種類は沢山あるでしょう。

同じように線を引いても、使う道具により線の表現は変わりますし、イラストにおける印象も違ったものになります。

細かな例を挙げればきりがないので、ここでは、平らな紙に鉛筆やペンで描く場合の線の話で進めていきます。

次の挿絵図を見てください。

線の引き方の違い比較

線の引き方の違いで雰囲気が変わる、比較

同じキャラクターで同じポーズの絵が並んでいますが、それぞれ線の引き方を変えて描いてみました。

A :複数の線の重なり
B :単線で均一の細い線
B’:単線で均一の太い線
C :単線で控えめに強弱を付けた線
C’:単線で極端に強弱を付けた線

単調な絵ではありますが、線の引き方を変えただけで、それぞれの印象や雰囲気に違いが出ている思います。

イラストを描くときには、丁寧に描くのはもちろんですが、線の種類を変えて表現するというところにも注目していきましょう。

線の描き方によって、印象・雰囲気がどう違うのかを観察しよう

たかが線、されど線。

イラストは、線の違いによって雰囲気ががらっと変わることも多くあります。
わかりやすいのは、違う作家が同じものを描いたとき。

同じものを描いているはずなのに、何故ここまで違うのか!と思うほど、雰囲気・印象ともに大きく違うことがあります。

線は、ただ輪郭をなぞればいい、というものではありません。
線はイラストの雰囲気や情景などを伝えるための表現方法のひとつであり、また、キャラクターの状況・心情を反映させて描かれていることもあります。

どういう場面でどんな線が使われ、どう表現されているのか。
そんなことを考えながら、イラストや漫画作品を見てみるといいでしょう。

ただ、作家さんの作風によって表現方法は異なるので、この表現の場合はこうだ!みたいに固定して考えない方がいいです。

主線の引き方だけで場面の表現をされている場合
主線は単調な線だけど、主線以外の効果線などで表現される場合
線はどれも同じ調子で淡々と描かれる場合、などなど。
作家の数だけ表現方法があると思うので、参考程度に観察してみましょう。

日頃から観察するクセをつけていると、実際に自分がイラストを描くときにも、表現の幅が広がります。
初心者さんには線を使い分けるというのは難しいことですが、線を描き慣れてくると次第に出来るようになっていきます。

まだ線の描き分けなんて出来ないから、観察するのも無駄では?と思うなら、それは違います。
日頃から好きな絵の線や雰囲気などを意識して観察することは、「目を肥やす」という意味でもとても有用なことです。

そして、気になる線の表現があれば、真似して描いてみるといいでしょう。
全部を描くのがキツかったら、一部分だけでもいいのです。
それは模写でもいいし、自分の絵を描くときに取り入れてみるのもいいでしょう。

はじめは慣れなくてうまくいかなくても、繰り返し描いてみるうちに、手に馴染んで自分なりの技術になっていきます

初心者と描き慣れた人の、線の描き方の違い

初心者さんと描き慣れた人との線の違いって何でしょう。

それは、線をコントロール出来ているかどうか、と言ってもいいでしょう。

何がどう違うのか、両者の違いをみていきましょう。

初心者にありがちな線の描き方と印象

初心者さんの線の描き方の特徴として、共通している点がいくつかあります。

・迷い線が多い。
・何度も線をなぞり、描き直し線の層が出来ている。
・線の向きがバラバラ。
・線の太さが統制されてない。
…など。

下描きの時点で線が多いのは悪いことではありません。
しっかり下描きをしようとすると線が多くなるのも当たり前のことです。
ですので、ここで言う線の描き方とは、仕上げの時の線の描き方についてです。

線を描き慣れていない人の線というのは、やはりどこか不安げに見えたりします。

まだ線がうまく描けない・引けない、と言う場合は、まず線を丁寧に描く練習をすることから始めるといいでしょう。
イラストを鉛筆の線できれいに仕上げる場合には、余計な線を消して必要な線を残し、イラストがすっきりきれいに見えるよう整理していきましょう。

ペン入れをするときには、下絵の鉛筆線を充分整理してからペン入れをすると、失敗が少なくて済みます。

描き慣れた人の線の描き方

線を描き慣れた人は、線をコントロールしながら描いていきます。
コントロールしながら描く、というのは次のようなことです。

・線を引きながら迷わない。
・線を一本一本選びながら、決めて描く。
・線の方向を意識しながら描く。
・線の太さを調整しながら描く。
…など。

線を描き慣れていると、どこにどう線を描けばいいのか、経験からある程度の予測ができます。
どんな力加減で、どんな手の動かし方をすればいいのか。
線を描く経験を重ねると、安定した線で描いていくことができます。

ペン入れをするときには、下絵の線の中から一番いいと思う線を決めながらペンで描いていきます。
場合によっては、下描きを無視して違うところに線を入れて描いたりもしますが、それは慣れた人だから出来ることです。

初心者さんが下描き線と全く違うところに線を入れる場合には、下描きを直してからペン入れすることをおすすめします。

描き慣れすぎたベテランさんは、下絵なしの白紙状態で、複雑なイラストをいきなりペンで描く人もいますが、それも経験の成せる技です。
いきなり出来ることではないので、初心者さんがこのようなベテランさんを見て落ち込むことは、まったく無意味で超無駄なので気にしないこと(笑)

絵を描き続けていれば、いずれはあなたも出来るようになるので、焦らないこと。

複数の線で描く場合の注意

「1.線の描き方の違いと雰囲気の違い」の挿絵図例で紹介した
「A.複数の線で描いたもの」についての補足です。

次の挿絵図を見てください。

線の引き方の印象

線の引き方で印象が変わる

左右のイラストはどちらも、「複数の線で描いたもの」です。

左右見比べて、どう見えるでしょうか?
まぁ…すでに挿絵に文字を入れてしまっていますが。

Aは「作風」、右側は「下絵?らくがき?」と書いていますね。
両方「サッサッ」と短い線で描き、雰囲気を出している…つもりで描いています。

実際、Aの「作風」のようなタッチで活動をされている作家さんが居ます。
そして、右側のような描き方をしている初心者さんを時折見かけます。
片方は「作風」と捉えられ、片方は「下描き?らくがき?」と見なされる。

もうなぜだかわかりますよね。
両者を見比べてみると、一目瞭然としてその違いはわかるでしょう。

右側の線の描き方は、「仕上げ」というより「まだ描きかけの絵」と取られてしまうことが多いでしょう。
それはやはり、線の向かう先がバラバラであったり、メインの線がはっきりせずガシャガシャして定まっていない点などからです。

描き慣れている人(A)と、そうでない人(右側)の線の描き方の差が出ていますよね。

この「サッサッ」と線を描く描き方って、何故か「うまく描けた気がする」ので、ついついやってしまいがちです。
私も大昔同じことをやって、右側状態なのに満足していたので、気持ちはよくわかります(笑)

しかしそれは気のせいで自己満足に過ぎないので、自分の絵を客観的に見ることを覚えましょう。

客観的に見る簡単な方法としては、写真に撮って見てみること。
今の時代、スマホで簡単にできることなので、ぜひやってみてください。
ただし、写真の撮り方によって見え方が変わってしまうので、写真は真正面から撮りましょう。

写真が撮れない場合は、数日経ってから自分が描いた絵を見てみましょう。
日を置いて改めて見直してみると、描いた当初とは違った見方ができるようになっています。
もしも、描いた当時と同じ感覚なら、またしばらく見ないようにしてから見返してみるといいでしょう。

まとめ

イラストは、線の描き方ひとつで、印象や雰囲気が変わって見える!
だからこそ、線はとても大事。

線を描き慣れている人は、線をコントロールしながら描いています。
まだまだ自分は描き慣れないよ!という初心者さんは、まず丁寧に線を引くことから始めましょう。

丁寧に線を描くことに慣れていくと、次第に線をコントロールすることが出来るようになってきます。

線をコントロールすることが出来るようになれば、いろいろな線を描くことが出来るようになります。
いろいろな線を描くことが出来るようになれば、表現の幅は広がります。

そのためには、いろいろな作品を観察し、日頃から目を肥やしていくといいでしょう。

線を描く。というのはなかなか奥深いものです。
焦らず地道にやっていきましょ~。

それでは、またも長くなりましたが、このへんで。

お付き合い有難うございます。

楽しいお絵かきライフを!

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