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骨盤の構造を理解すると、描ける人体イラストの幅が広がるよ

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骨盤の構造と動き

人物を描く上での一つの難関、腰周り。

腰もその構造が分かれば、わかりやすくなる、はず…
というのは、腰の部分である「骨盤」の形状はなんとも複雑なもの。

はじめのうちは、なかなか理解し難いものかと思います。

けれども理解しようとするのも大切。
何度も確認することで、徐々にその形状がわかってくるでしょう。

骨盤は誰しもが一度で理解することは難しいですからね。

しかしながら骨盤は上半身を支え、下半身と接続する大切な部分。

焦らず気負わず、気になったときに少しずつでいいので、骨盤について理解を深めていきましょう。

骨盤の構造はイラストを描く上でも重要

なぜ骨盤の構造を知っておくのがいいか?

何でもそうですが、構造を把握することで、形を理解しながら描くことができるようになるからです。
難しい構造をしているのならばなおさら。

腰は肌の表面から見ても、骨盤の形がある程度わかる部分というのがありますからね。

それに骨盤は体の要。

理解すればするほど、腰周りを柔軟に描くことが出来るようになるし、体全体の状態や姿勢などを理解するのに役立ちます。

背骨と骨盤のつながり

まず初めに、背骨と骨盤とのつながりを見てみましょう。

骨盤は体の中心を通る背骨の下部にあり、上半身を支える土台です。

【図1-1:背骨と骨盤のつながり】

背骨と骨盤のつながりの図

背骨と骨盤のつながり

背骨の下部、仙骨と尾骨は骨盤の一部です。

【骨盤の骨】

  • 仙骨(せんこつ)
  • 尾骨(びこつ)
  • 寛骨(かんこつ)

仙骨の左右に、寛骨という骨が左右対称に付いており、これら3つの骨で骨盤を形成しています。

骨盤の形と名称

寛骨は複雑な形をしており、一つの骨の名称として寛骨といいますが、実は3つの骨が結合して形作られたものなのです。

【図1-2:骨盤の形と名称】

骨盤の骨の形と名称の図

骨盤の骨の形と名称

【寛骨の3つの骨】

  • 腸骨(ちょうこつ)
  • 恥骨(ちこつ)
  • 坐骨(ざこつ)

これら3つの骨は子供の頃には離れており、体が成長して大人になるに従い、結合した状態になります。

骨盤は背骨(胴体の部分)と下肢(脚の部分)とを繋ぐ、とても重要な骨。

複雑な形をしているので、少々把握しづらいのですが、全体を簡易的に見ると、底の抜けたすり鉢のような形をしています。

補足ですが、図にある「寛骨臼(かんこつきゅう)」は、脚の骨(大腿骨)がハマる部分で凹んでいます。

その他、図に書いている骨の部分については後に説明します。

骨盤の関節

骨盤は目立って大きな動きをするのではないけれど、体の動きに合わせて関節が動きます。

【図1-3:骨盤の関節】

骨盤の関節の図

骨盤の関節

まずは、背骨の一部である腰椎と仙骨を繋ぐ関節。

  • 腰仙関節(ようせんかんせつ)

次に、骨盤どうしの関節

  • 仙腸関節(せんちょうかんせつ)
    …仙骨と腸骨を繋ぐ
  • 仙尾関節(せんびかんせつ)
    …仙骨と尾骨を繋ぐ
  • 恥骨結合(ちこつけつごう)
    …左右の恥骨を繋ぐ

そして、骨盤(寛骨)と大腿骨(脚の骨)を繋ぐ関節があります。

  • 股関節(こかんせつ)

 

骨盤には男女の差がある

骨盤は男女に違いがあります。
それは男性と女性では体の機能が異なるからです。

しかしながら個人差もあることを頭に置きながら見ていきましょう。

正面から見る骨盤の大きさと形

まずは正面から見る男女の骨盤について。

【図2-1骨盤の男女の違い~前:大きさと形】

骨盤の男女の違い~前の図

骨盤の男女の違い~前

男性の骨盤は幅が狭く、縦に長め。
内側の空いた部分はハートの形をしていて、恥骨の下の幅が狭くなっています。

対して女性の骨盤は幅が広い。

男女ともに骨盤内部には内臓が入るわけですが、女性は子供を腹に宿すことができるために骨盤が広く開いた形になっており、恥骨の下の部分も広くなっています。

そのため男女では股関節の角度も異なるため、男性に比べて女性の大腿骨(脚)は角度が付いているのです。

このように骨盤の形によって、外見から見ると男性の腰は凹凸が少なく縦長。
女性の腰は大きく、丸みを帯びた形になっているのです。

 

横から見る骨盤の傾き

次は男女の骨盤を横から見てみます。

【図2-2骨盤の男女の違い~横:傾き】

骨盤の男女の違い~横の図

骨盤の男女の違い~横

男性の骨盤はやや後傾気味で、恥骨が前に出やすくなっています。
そのため、おのずとお腹や胸を縮めて前かがみになり、肩が前へ出るような男性特有の姿勢になりやすい。

対して女性の骨盤は前傾気味で、上前腸骨棘(ASIS)が前に出る形になっています。
すると自然にお尻が後ろへ出るため、女性特有のなだらかな曲線を描くのです。

しかしながら、ちょっと注意。

男性は骨盤が後傾気味、女性は前傾気味だと書きました。
これは性別によってそういった作りであるということなのですが…

姿勢や見た目の体型については、必ずしもそうとは限らないこともあるのです。

これについては後で説明します。

肌の表面から見える骨盤まわり

骨盤の骨も他の部分と同じく、肌の表面から見てわかる部位というのがあります。

それは骨以外に靭帯や筋肉もそうなのですが、体の表面に見える部分を知っておくことで、さらにその部分をそれらしく描くことができるのです。

正面から見る骨盤まわり

まずは正面から。

【図3-1:腰の表面に見られる骨盤~前面】

肌の表面に見える骨盤~前の図

肌の表面に見える骨盤~前

骨盤の前面では、男女ともに以下の部分が目立ちます。

  • 上前腸骨棘(ASIS)
    …腸骨稜の前部分の先端。

腸骨稜を前へたどると角になる部分があるのでわかりやすい。

女性は少し出て見えるが、脂肪がつくと埋もれてわかりにくいことも。
男性の場合はASIS上部の側腹パッド(外腹斜筋)が発達していると、ASISの部分は引っ込んで見える。

  • 鼡径靭帯(鼠径靭帯/そけいじんたい)
    …上前腸骨棘(ASIS)と恥骨結節(ちこつけっせつ)とを結ぶ靭帯。

この靭帯付近に、男女ともに肌の表面に線が見られる。

これらの部位は、男女ともに体を描く上での目印となるのですが、男女では肌表面への現れかたが違っていたり、体型によって目視しづらかったりします。

後面から見る骨盤まわり

次に、後面では以下の部分が目立ちます。

【図3-2:腰の表面に見られる骨盤~後面】

肌の表面に見える骨盤~後ろの図

肌の表面に見える骨盤~後ろ

  • 腸骨稜
    …左右の腸骨の上端であり、きわの部分。

痩せている人などは肌の上からでも目視しやすく、腰に手を当ててみるとわかりやすく手に触れられる。筋肉のある男性は特に、腸骨稜が凹んで見えてわかりやすい。

  • 上後腸骨棘(PSIS)
    …腸骨稜の後端部分。

腸骨稜を後ろへ辿ると出っ張りに当たる。
PSISは男女ともに肌表面では窪んで見えます。

  • 仙骨三角
    …左右2箇所のPSISと、お尻の割れ目(殿裂/でんれつ)の上端の3点で三角形を成している。

ここは腰とお尻の境目みたいなところで、肌の表面から見て仙骨の位置がわかりやすい。

 

お尻(臀部/殿部/でんぶ)について。
お尻の割れ目(殿裂)とお尻の下のシワ(殿溝/でんこう)についての説明は不要かと思います。

ただ、仙骨三角の下からお尻の割れ目(殿溝)がありますよ~!ということを覚えておきましょう。
「割れすぎのお尻」が描かれているのを見かけたことがありますが、やはり違和感。
ほどほどが美しいよ。

仙骨三角の下部である殿溝の上端は、ちょうど仙骨と尾骨の間、仙尾関節のところですね。

 

そしてお尻の横の窪みについて。
窪みは骨盤と大転子(大腿骨の突起部分…骨盤の下、真横に出っ張ってるところ)の間にできます。

これも個人差があり、骨格や筋肉、脂肪の付き具合によって強く出たり出なかったり。

調べてみると、なんとこれにも名称があり「ヒップディップス」というそうです。
どうやら美容で気にする方がいらっしゃるようで…
お尻の筋肉をほどよく鍛えると、この窪みは消えるそうです。

 

骨盤の動きと姿勢

骨盤は背骨の動きに連動するし、脚を動かすときにも動きます。

骨盤は体の土台であり、全身は連動しているので、どこかしらが動くと影響を受けます。

あまりに細かい動きを気にする必要はないのですが、大きく動く場合はもちろん骨盤も大きく動きますし、骨盤の動きは姿勢にも関わるのです。

 

骨盤の動き~前傾・後傾

まずは骨盤の前後の動きについて。

骨盤を前後に傾けることよって、体全体の姿勢が変わります。

【図4-1:骨盤の動き~前傾・後傾】

骨盤の動き~前傾と後傾の図

骨盤の動き~前傾と後傾

  • 骨盤が前傾すると
    …胸を張り、腰は反る姿勢になる。
  • 骨盤が後傾すると
    …首が前へ出て背が丸くなり、腹を縮める姿勢になる。

この骨盤の動きは立っても座っていても、このような姿勢の状態になります。
人の絵を描くとき、骨盤の傾きというのはけっこう重要です。

骨盤が前傾したり後傾するのは一時的な動作として必要なのですが、日常的に骨盤の傾きが行き過ぎていると、そのような状態の体になってしまいます。

極端な骨盤の傾きは腰を痛めますし、体の全体に支障をきたします。

このようなことを詳しく知って絵を描くと、とてもリアルになりますが…初心者さんの段階ではそこまでは不要でしょう。

もし興味があれば調べてみたり、自分の体を動かして確認してみると面白いのですが、あまり追求すると深みにハマるので、ここでは割愛します。

骨盤の動き~上下・回旋

次は骨盤の上下(挙上・下制)、回旋の動きについて。

【4-2:骨盤の動き~上下・回旋】

骨盤の動き~上下と回旋の図

骨盤の動き~上下と回旋

  • 骨盤が上下(挙上、下制)
    …片足に体重を乗せたりすると、左右の片方は挙上して片方は下制する。
  • 骨盤の回旋
    …歩くときなど、寛骨が左右別に前後に回旋する。

骨盤の傾きは、体の前面からはASIS、後面からはPSISを基準にするとわかりやすい。

骨盤の形は極端に変わることはないのですが、意外と柔軟に動きます。
自分で体を動かしながら骨盤に触れてみると、結構動いているのがわかります。

複雑な動きはまぁ置いておいて、まずはそのようなものだと知っておくというだけでもいいでしょう。

まとめ

【骨盤とは】

骨盤は背骨からつながる「仙骨」「尾骨」、
それと仙骨の左右に付く「寛骨」の3つの骨から成ります。

骨盤は上半身の土台。
体の中心を通る背骨と下腿(足の部分)との橋渡しの役割をします。

 

【男女の違い】

骨盤の大きさや形は男女で違い、男性は縦長で女性は横に広くなっています。
男性の骨盤は後傾気味で、女性は前傾気味。

骨盤の形や大きさ、傾きなどは個人差もあります。

 

【表面に見える骨盤】

絵を描く上で覚えておくといい部位は、

〈前面〉
・上前腸骨棘(ASIS)
・鼡径靭帯(鼠径靭帯/そけいじんたい)

〈後面〉
・腸骨稜
・上後腸骨棘(PSIS)
・仙骨三角

お尻の割れ目(殿裂)は、仙骨三角の下から。

 

【骨盤の動き】

・前傾と後傾
・挙上と下制
・回旋

骨盤の動きで姿勢が変わる。
左右のASIS、PSISを目安にすると、骨盤の傾きがわかる。

 

骨盤の形状は複雑。
一度で理解できるものではないです。

何度か繰り返し意識して見ていくうちに、少しずつ理解できるようになるでしょう。

人体を描くときに、わざわざ複雑な骨盤を描く必要はないのですが、まずはこういう構造だということを知っておきましょう。

骨盤の形を把握し、男女の違いなどをある程度わかると、男女の描き分けがよりしやすくなります。
更に分かってくると、肉付きや年齢などでの描き分けなんかも楽しくなってくるでしょう。

いきなり全部は難しいので、まずは基本を知ることから。

骨盤をわかりやすく描く方法は、また別でやることにします。

 

結構長くなりましたが…今回はこの辺で。

よいお絵描きタイムを
お過ごしくださいな~^^

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