この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。
![口の中の描き方_表題](https://sanaimiyuki.com/wp-content/uploads/2018/01/kuchi-naka-kakikata.jpg)
口の中の描き方の表題画
口は簡単なようでむずかしい?!
むずかしいと感じるのは、口の中が見えるから!なのかも。
さて、口の中の歯や舌はどう見えるのか?
口は表情を作るのに欠かせない。
けれど描き方によっては、顔が崩れやすいパーツなのです。
口先だけで話すくらいの動作ならば、口の形さえ把握すれば描くのはむずかしくない。
むずかしいと感じるのは、顎(あご)が開いたときの口を描くときでしょう。
口を開いて上下の歯の隙間が開くと、口の中が見えてきますね。
口を大きく開けるほど口の中が見えやすい。
口を描き慣れない初心者さんは、どう描いていいのか分からなくなることでしょう。
とくに大口を開けたときには、顔が崩れやすい。
そして口の中が丸見えになる。
顎と口の中。
外側の唇、内側の口の中。
これがどうなっていて、どう見えるのか。
基本的な構造が分かっていないと、頭の中でも整理がつかずイメージができないので、どう描いていいのかわからない。
つまり、構造を知ることは大事だと思います。
口の表面だけをとらえて描こうとすると、動きのある絵を描こうとしたときに、どう対応していいのかわからなくなる。
リアルな絵柄ならばなおさらですが、シンプルな絵柄であっても基本は同じ。
実物を意識して知っておきましょう。
口の中の構造
まずは口の中の見え方を想像してみます。
…というよりは、手っ取り早く鏡を持って観察してみましょう。
口の中には何がある~?
![口の中の構造](https://sanaimiyuki.com/wp-content/uploads/2018/01/kuchi-naka-zentai.jpg)
口の中にはなにがある?
- 上顎と下顎
- 上顎と下顎の歯
- 舌と口蓋(こうがい)、口蓋垂(こうがいすい)
一つずつ見ていきましょう。
※一部古い画像を使っているので、少々画像が粗いのはご了承くださいな。
上顎と下顎
上顎は頭蓋骨と一体化しており、上顎は頭の動きとともにある。
![上顎と下顎](https://sanaimiyuki.com/wp-content/uploads/2018/01/kuchi-naka-ago.jpg)
上顎と下顎の図
口を開けるときには、下顎が動く。
顎を動かす関節は、顎関節(がくかんせつ)といいます。
(下顎の動きについてはこちらへ → 顎の動き)
顎は口とともに、話す、飲む、食べる、表情を作る…
さまざまな動きに対応する。
叫んだりすると大口になるが、開き幅が最大になるのは、あくびをするときかも。
上顎と下顎の歯
上顎と下顎にそれぞれ歯がついている。
左右対称で、上下も同じ。
【歯並びの図】
![歯の形状と数](https://sanaimiyuki.com/wp-content/uploads/2018/01/kuchi-ha.jpg)
歯の形状や数を示す図
【大人(永久歯)】
上の歯:14本+親知らず2本
下の歯:14本+親知らず2本
中切歯1、側切歯1、犬歯1、小臼歯2,大臼歯2~3
計7本+親知らず1本ずつの歯が左右対称・上下にあり、計28~32本。
“親知らず”は第三大臼歯(一番奥の歯)で、ある人とない人がいる。
ちなみに親知らずは智歯(ちし)ともいうらしい。
【子供(乳歯)】
上の歯:10本
下の歯:10本
乳中切歯1、乳側切歯1、乳犬歯1,乳臼歯2
左右対称・上下に5本ずつで計20本。
乳歯は3歳頃には生えそろい、
6歳から12歳くらいの期間で順次、永久歯へ生え変わる。
口の中を描くとき、全ての歯が見えることもあまりないでしょう。
だいたいこんな感じの並びですよ~と。
細かく覚える必要もないので、雰囲気を知っておきましょう。
さきほどは口が開いた状態でしたが、次は口を閉じてみます。
口を閉じて噛み合わせると、上の歯が外側、下の歯は少し内側に入る。
【噛み合わせの図】
![噛み合わせの図](https://sanaimiyuki.com/wp-content/uploads/2018/01/ago-kami.jpg)
噛み合せた状態の顎の図
※奥歯はもっと内側に傾いているのがキレイな歯並びのよう?です。
まぁいろいろな歯並びがあるので、一例ということで^^;
噛み合せた状態が見えるときというのは、顎は閉じていて唇は開いているときですね。
舌と口蓋、口蓋垂
歯の奥には、舌と口蓋(こうがい)、口蓋垂(こうがいすい)がある。
![口の中](https://sanaimiyuki.com/wp-content/uploads/2018/01/kuchi-naka.jpg)
口の中を示した図
歯を支えているのは歯茎(はぐき)。
上顎の裏を口蓋(こうがい)という。
口蓋垂(こうがいすい)とは、のどちんこのこと。
口の中は顎の開き具合によって、どこまで見えるかな~?という感じですね。
あくびをすれば、ほぼ全開。
この図はわかりやすくするために、骨に口の中だけなので見えやすいですけど。
実際は口の入り口が狭かったり歯があるので、なかなか全部が見えることは少ないでしょう。
口の中の見える範囲
ここまでで口の中がどうなっているのかを見てきました。
次からは、この口の中がどこまで見えるのか、ということを見ていきましょう。
ちなみに口が閉じた状態では、こんな感じで顎や歯が収まっています。
![口が閉じた状態](https://sanaimiyuki.com/wp-content/uploads/2018/01/ago-kuchi.jpg)
口が閉じたときの顎や歯の収まり状態
この状態を認識しておくのも、絵を描くときに役立つでしょう。
口だけ動かしたら
顎を動かさず口だけを動かすと、歯が見える。
歯は、噛み合わせた状態の歯が見えますね。
![唇だけ開いた状態](https://sanaimiyuki.com/wp-content/uploads/2018/01/kuchi-i.jpg)
顎は開かず唇だけ開いている図
「いーーーっ」の状態。
ここでは歯を一本ずつ描いていますが、歯をリアルに描くか省略して描くかは自由。
顎を少し開けると
口(顎)を少し開けると、上下の前歯が少し見える。
さらに口を開けると、上下の前歯と舌が少し見える。
少しずつ口(顎)を開けて、鏡で見てみましょう。
顎を大きく開けると
口(顎)を大きく開けると、歯と舌が見える。
さらに大口を開ければ、口蓋垂までもが見える。
しかし全部が見えるかというと、そうでもない。
口蓋垂は奥にあり、その前には舌がある。
ある程度口を開けてなおかつ「あー」とか大声を出すシーンでもないとなかなか見えない。
しかもほぼ正面向きで。
口蓋垂まで見える絵ってなかなか描かないけど、そんな場面を描きたいこともありますよね。
次の絵は正面向きではないけど、斜め向きで口を全開にした状態。
![大きく口をあけたとき](https://sanaimiyuki.com/wp-content/uploads/2018/01/kuchi-naka-hiraki.jpg)
大きく口を開けたときの口の中
大口を開けたときに描きたくなる(?)口蓋垂は、正面向き以外ではなかなか丸見えにはならないもの。
少し顔が斜めに向けば、この図のように少しだけ見える状態になります。
口の中の見え方
口を開ければ、口の中が見える。
しかし口の中全てが見えるわけではない。
また、口の開き幅によって一定の見え方をするわけでもない。
顔を見る角度によって、口の中の見え方は変わるのです。
![口の中の見え方](https://sanaimiyuki.com/wp-content/uploads/2018/01/kuchi-naka-mie.jpg)
口の中の見え方は見る角度によって変わる
顔を上から見るか下から見るか。
また、横から見るか斜めから見るかで、口の中の角度も見える範囲も変わってきます。
口の中を描くときには、次のように考えるといいかも。
- 口蓋垂は首の上あたりの位置にある
- 奥歯は顎とともに並んでいる
- 舌の根元は口蓋垂がある方向にある
つまり口の中を描くときには、顔の角度から口蓋垂(口の奥)の位置を想定。
口の入り口から口の奥へ向かうように、舌や奥歯を描くとそれらしく見えるのです。
その前に、前歯という壁があるのもお忘れなく。
まとめ
さて今回は、口の中とその見え方について書いてみました。
口の中を描くときには、立体的に考えてみましょう。
口の中は、唇の奥ですから。
はじめはちょっと想像しにくいかもですが、見慣れたり描き慣れてくるとわかってきます。
顎の動き、口の開き方はどんな風に見えるのか、自分の顔を触ったり鏡を見て観察してみましょう。
テレビや動画などの出演者の口の動きを観察するのもアリ!
漫画などでは面白く表現するために、通常の可動範囲よりも更に大きく口を開けさせたりします。
そんなシーンで説得力のある絵を描くためには、動きとともに基本の構造を知っておくことが大事です。
口の中を描くときに知っておきたいことは…
- 口の中の構造
- 口の中は見る方向によって違って見える
- 歯は顎に付いている
- 口蓋垂(口の奥)は首の上、舌や奥歯は口の奥へと向かう
口の中はちょいと複雑ですが、口の入り口と奥の位置を基準にしてどう見えるのか、と考えていくといいでしょう。
はじめのうちは鏡などを見て観察することもおすすめです。
今回はここまで。おつかれさまでした。
楽しいお絵かきタイムを~^^