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人の正面顔を描くときには、バランスを取った土台を作ってから描く!
あなたはどんな時に正面顔を描きたいですか?
正面顔を描くことってそんなに多くはないような気がします。
イラストやマンガでも、顔の正面は多くないかなと。
しかしここぞという場面では、狙って描かれていたりしますね。
そんな正面顔。
これがなんだか崩れていると、イラストやストーリーが締まらない感じになっちゃいます。
人が好むのは正面顔?
正面顔と言えば、幼児が無邪気に描くお絵かきは、たいてい人間の正面顔じゃないかなぁ~などと思い至ります。
そして成長して自分の意思でお絵かきしだすと、斜め向きの顔を多く描きたがる傾向に。
動きを付けたいからなのか、正面顔は描きづらいと思うのか…。
謎ですが、人は正面顔に対して、特別な気持ちを持っている気がします。
正面顔がうまく描けない理由と解消方法
そもそも、正面顔を描きづらいと感じる理由は何でしょう。
- 左右のバランスが取れない
- 描いてみてもなんか変になる
(自分で理由がわからない) - どこからどう描いたらいいのか、描き方がわからない
(描き慣れていないために、情報が多く整理しきれない)
初心者さんにはよくあることです。
正面顔がうまく描けない理由はいくつか考えられます。
- 顔のパーツの大きさや位置がわからずに描いている
- 全体を見ないのでバランスが取れない
- 左右対称に見る、ということの難しさ
こんなところでしょうか。
ではどうしたら解決するでしょう。
顔のパーツの大きさや位置
人の顔って毎日見るようでいて、いざ描くとなると具体的にわからないもの。
これはこれから一緒に描いていくので解決できるでしょう。
全体を見る
これは今回、方眼用紙を使うことで解消できる。
方眼用紙を使わずに描けるほうがいいとは思います。
しかし描く感覚に慣れるまで、練習で使うのは有効だと思うのです。
左右対称に見る
これは慣れもあるでしょう。
しかし実は、誰しもが苦手なのではないかと思います。
簡単にできる方法としては、アナログの場合は紙を裏返して透かし見る。
そしてズレを確認しつつ、修正する。
デジタルの場合も、画像を反転してみるということですね。
で、ここでも方眼用紙の登場。
今回は方眼紙に描いていくので、左右対称もわかりやすいでしょう。
見慣れていくというのも大事ですからね。
ちょっと余談ですが…
そもそも人間の顔もズレがあって当たり前。
イラストでも極端に歪んでいないかぎりは、さほど気にしなくてもいいのかなと。
逆に左右対称すぎると人間味が薄まる感じになり、完璧すぎると人形やロボットのような印象になります。
それではいよいよ描いていきましょう。
人の顔をお絵かきする幼児のように、無邪気に。
「大好きな人の顔を描くんだぁー。」くらいの感じでやってみましょう!
正面顔の土台(ベース)を作る
使う道具:方眼用紙、鉛筆、消しゴム、色鉛筆。
これから手順を追って、こんなのを作ります。
順番に説明する画像の通りに、線を描いて進めていきましょう。
※方眼用紙はなくてもいいけど、慣れないうちは使ったほうが距離感が分かりやすい。
はじめは全て鉛筆で描きます。
では一緒に描いてみましょう。
頭部全体サイズを描く
長方形を描いて、タテヨコ半分に線を引く。
・長方形
これは頭部全体のサイズになる。
・真ん中の縦と横の線
真ん中の縦線は頭(顔)の正中線。
真ん中の横線は顔の中心で目の位置になる。
鼻と口の位置を描く
・鼻の位置を描く
鼻の開始は中心からちょっと上。
鼻の終わりは下1/2~少し短めのあたり。
・口の位置を描く
下半分の1/2の位置より少し下。
目と眉、耳の位置を描く
・目と眉の位置を描く
目と目の間は、目が1つ分入るくらいの距離。
眉は目の少し上に描く。
☆眉は目から近いと、顔の彫りが深い顔に。
眉と目が遠いと、顔の彫りが浅い、のっぺりした顔になる。
・耳の位置を描く
眉から鼻の下までの長さが、だいたい耳の長さ。
耳が見える幅は人により違うので、ここではだいたいの幅でいい。
頭の輪郭と顔の輪郭を描く
・頭の輪郭線を描く
頭は左右に少し四角形の枠を出て、幅を厚めに描く。
・顔の輪郭線を描く
頬(ほお)と顎(あご)を意識して描こう。
☆首を描くのも忘れずに。
首の太さの幅は、だいたい目尻の位置を目安にする。
☆頬と顎は、角度の付いた顔を描くときにも非常に重要なので気にしておこう!
顔のベースが完成
顔のベースができたら、主線を整える。
☆ ここで左右のズレが無いか確認。
・裏から透かし見る
・デジタルなら反転して見る
ズレを確認しつつ、あれば修正していく。
※ここでしっかり確認・修正しておくと、あとで修正が少ないので楽。
☆ 主線が整ったら
・色鉛筆で主線をなぞる
・不要な鉛筆線を消す
これで顔のベースは完成!
次は、顔のベースに好きな顔を入れていこう。
顔のベースにパーツを描き込む
先程作った顔のベースに、目鼻や口などのパーツや髪を描き込む。
顔のパーツの描き方についてはまた別の記事にて書きますが、ここでは好きなように描き込んで遊んでみましょう。
参考にいくつか正面顔のイラストを貼っておきます。
真似て描いてもいいし、自分なりの顔のパーツを当てはめたりして、自由に描いてキャラクターを作ってみましょう。
キャラクターによっては、顔のベースからアゴを短めに削っているものもあります。
鼻は一応リアル系にしてみました。
☆アゴを削る場合は、鼻と口も少し上にずらして描きます。
☆鼻を縮めたら、耳の長さも調整してみましょう。
☆眉毛の上がり下がりで感情を。
☆目尻の上がり下がりで個性や性格を。
☆鼻の高い低い、あるいは太い細いで雰囲気を。
☆口の描き方でも表情やキャラクターが出る。
☆アゴも人により細かったり厚かったり。
☆耳も角度が寝ていたり立っていたりと、人の顔には個性がある。
おまけの眼鏡さん。
☆眼鏡さんを描くときには、まず裸眼状態を描くこと。(上の右図)
その上から眼鏡を描いてあげます。(上の左図)
補足:顔を少しリアルにしてみよう
顔には骨があり筋肉があり、皮膚にはシワがある。
リアル絵を描きたい方は、自分の顔を観察ながら補助線を描き込んでみましょう。
補助線を入れることでキャラクターに歳を取らせたり、表情を付けたりすることができます。
まとめ
正面顔をバランスよく描くには…
- 正面顔は歪みが出やすいので、まずは土台となる顔のベースをつくろう
- 顔のベースの完成段階で、必ず左右のバランス確認をして修正すること
- 顔のベースを基準に、顔のパーツを描いていこう!
顔のベースはあくまでも土台で、ただの位置の目安。
キャラクターによっては目鼻をいじったり顎をいじるなど、変更して描いてみるといいでしょう。
絵柄によっては大きく比率が変わるものなので、いろいろいじって、あなたの絵柄に合った土台を作ってみて下さい。
では今回はこれにて、おつかれさまでした。
よいお絵かきタイムを。