イラストで肩まわりを描くには描き方の前に仕組みを知ろう2

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>> イラスト描き方講座〈もくじ〉

 

肩を描くのが難しいと感じるのは、肩の動きが複雑だから。

肩の関節を知って動きをイメージできるようにしよう


前回は肩の骨格の話をしました。

今回は動きについて…ですが、肩の動きはちょっと複雑。

 

人物のイラストを描くときに人体構造を知っていると、身体の見え方に不自然さがないか、下描きの段階で確認しながら描くことが出来ます。

しかしながら、骨格は普通に見ることが出来ないため、動きを骨格で捉えたりするのは余計に難しいよね…と思います。

単純な関節についてはともかく、肩のような複雑で微妙な動きをする部位についてはなおさらです。

 

では何故、肩の仕組み…骨の動きを知っておく方がいいのか、というのはやはり、模写をするにしても知っているほうが理解が進むからです。

ということで、今回は肩の関節と動きを知りましょう。

 

 

〈〈 もくじ 〉〉

1. 肩の関節を知っておこう

2. 肩はどんな動きをするのか~鎖骨と肩甲骨の連携~

3. 例外の肩甲骨?

まとめ

 

 

 

1. 肩の関節を知っておこう


まずは身体全体から、肩部と関連する部分を見てみましょう。

 

緑色で塗りつぶしているところは、「肩-二の腕-前腕-手」です。

これらは胸部にのっかっているけど、胸部と繋がっているのは鎖骨の内側の端(胸鎖関節)のみなのです。

腕なんかはまさに、肩(肩甲骨)からぶら下がるように付いているわけです。

 

肩の関節をそれぞれ見てみましょう。

肩部の骨は「肩甲骨」と「鎖骨」の2つだけですが、それぞれが別の骨へと接続しています。

鎖骨(青色部分)は、内側端で胸骨、外側端で肩甲骨と関節を成し

肩甲骨(緑色部分)は、鎖骨・上腕骨・肋骨(※)とそれぞれ関節を形成している。

※肩甲骨と肋骨は通常の関節とは違うので仮関節とも呼ばれています。

 

細かいことは覚えなくてもいいのですが、こんな形で、こんなふうに接続しているんだな、というイメージを持っているといいと思います。

 

 

2. 肩はどんな動きをするのか ~鎖骨と肩甲骨の連携~


肩は「鎖骨」と「肩甲骨」で形成されていると書きましたが、その動きはまさに「鎖骨」と「肩甲骨」の連携によるものです。

 

おそらく誰もが体感として実際に肩の動きを知っているはず…。

しかし、いざ描こうとすると何がどうなっているのか「???」ですよね。

そこで、肩の動きのいろいろを描いてみました。

 

描いてみました…って、さらっと言ってみたものの、難しかったです(^^;)

骨と外見とのリンクした挿し絵を描いてみたわけですがまぁ、そんな資料も少なく、肩の動きの複雑さを思い知りました(笑)

それもそのはずで、腕の位置や角度、見る角度によってもちょっとずつ違う…

 

しかし臆することはありません。

おおまかな動きを知るだけでも、「きっとこの人の肩甲骨は今こんな感じかな」というイメージが出来ると思います。

模写するときにも、全く知らないで描くよりも、ある程度知って描く方がずいぶんと理解が進みますので、ざっとお目通しくださいな。

 

 

肩甲骨を緑色、鎖骨を青色にしています。

鎖骨は胸側にあるので本来は見えませんが、今回は透過状態で描いてみました。

 

ポイントは2つ。

  • 肩甲骨は肋骨の上をスライドして動く、特殊な仮関節。
  • 鎖骨は内側端(胸側)の位置は変わらないが、外側端(肩側)は肩甲骨の動きに従って動く。

 

〈上図1〉腕を下にしている自然体。

〈上図2〉腕を挙げると、肩甲骨と鎖骨からなる関節(肩鎖関節)は上へ持ち上げられ、肩甲骨の下角は外へと動く。

〈上図3〉腕を後ろへ曲げると、肩甲骨の下角は内側へ動き浮き上がる。

 

〈上図4〉肩を上げると、鎖骨の内側端と胸骨の関節(胸鎖関節)は定位置のまま、鎖骨の外側端と肩甲骨の関節(肩鎖関節)は引き上げられる。

〈上図5〉肩を下げると、内側の胸鎖関節は定位置として、外側の肩鎖関節は引き下げられる。

〈上図6〉胸を張ると、両肩甲骨は背中の中心に寄る。

〈上図7〉猫背になると肩甲骨は外側へ広がる。真後ろから見ると鎖骨はほぼ平らに見えるが、横から見ると肩が前へいく(胸をすぼめる)形になる。

 

 

てことで一応描いてはみたものの、あくまでも「こんな感じ」というていで見ておいてください(^^;)

腕の角度や位置、姿勢の違いで肩甲骨の動きは違うし、腕を動かさなくても肩甲骨は動かせる…

上下左右、回転回旋という複雑な動きをするので、描いてみたものは一例に過ぎません。

 

実際に動きを骨だけで描くってことも滅多に無いと思うので、イメージする方向性だけでも合っていれば、極端に変なイラストになったりもしないでしょう。

人の皮膚表面の動きと、鎖骨・肩甲骨の動きをイメージしながら実際に観察してみるといいですね。

 

まぁ、あまり深く考えると描けなくなりますし…(実際体感しました^^;)

「これだけの動き方をする」、「こんな風に動くんだ」というイメージが出来ればOKでしょう。

 

おまけ:腕を上げるの図

描いたけど使わなかったので、おまけに載せておきます。バンザーイ。

 

 

 

3. 例外の肩甲骨?


写真などを参考にイラストを描く時、同じポーズなら何でもいいとは一概に言えません。

今回は「例外の肩甲骨」と書きましたが、肩甲骨に限らずそういったことがあるので覚えておくといいと思います。

 

参考にする写真や身近な人物を描かせてもらうときに気を付けることとして、その写真や人物が特別の状態にありはしないか?ということ。

特別な設定のあるキャラクターを描く時には、同じ状況の人物や写真を参考にするのがいいのはもちろんです。

しかし特に設定のない場合には、特別な状態の人物や写真を参考にして描くと違和感が出たりする場合があるかもしれません。

 

 

3.1 ダンサーの肩甲骨

見た目の美しさが目的なのか、腕の挙げ方の方法なのか…?

その道に縁の無い私には不明なのですが、ダンサーは「腕を挙げた状態で肩甲骨を下げる」という動きをあえてするようです。

バレリーナに関しての記事などを見ると、肩甲骨の動かし方というのが重要らしいのですね。

 

〈下図〉左側がダンサーの意識的な背中。右側が通常の動きの背中。

この絵はバレリーナさんの画像を模写したものですが…肩甲骨の位置でずいぶんと背中の見た目が違うものですね。

(※腕を挙げている位置や角度によってもずいぶん違って見えます)

 

腕を挙げたときに肩甲骨を下げる、という動きは、何も考えずに腕を挙げるときの肩甲骨の動きとは違います。

 

リアルを追求しないイラストならば、左側の背中の方が美しいのでそちらを参考に描けばいい。

リアルなイラストを描きたい場合には、ダンスもしたことのない設定のキャラクターが手を挙げたとき、背が平たいとちょっと違和感があるのかも…?

(でもこれに気づくのって、ダンスをやっている人しか判らない気がしますけど…逆に言えば、ダンス経験者ならば気づくかも。)

 

ちなみに、女形を演じる男性も、肩幅を狭く見せるために肩甲骨を下げるのだとか。

職業柄などで体付きを操作したりするのは面白いですね。

そんなこともイラストで表現出来たらすごい。

 

 

3.2 翼状肩甲骨

スポーツのやりすぎなどで前鋸筋という筋肉がうまく動作しない状態になると出る症状で、肩甲骨が浮き上がってしまっている状態。

明らかな症状の場合には気づくけど、軽めの状態だったり身近な人で見慣れているとあまり違和感がない場合もあります。

けど、身体の故障が何もない人とは違う状態なので、イラストを描く参考にするには不向きかなと思います。

(もちろん、キャラクターの特徴として設定がある場合は除く)

 

「ダンサーの肩甲骨」の場合は、意識的に操作をしている状態。

「翼状肩甲骨」の場合は、身体のバランスを欠いてうまく動作しなくなって出る症状。

「肩」という部分ひとつ取ってみても、人の身体の動きにはこういった違いもあるので、気にとめておくといいと思います。

 

 

まとめ


肩まわりの動きを描くには…

肩のしくみを知って動きをイメージ出来るようになろう!

 

参考の写真や映像から模写するときには、中の骨がどうなっているのかをイメージしながら描く。

すると、次に同じポーズを描くときにもイメージしやすく、描きやすくなります。

 

人の身体って、それこそ人それぞれ。

肩の部分ってキャラクターの印象がとても出る部分だと思います。

人の身体の状態は、遺伝はもちろん環境(食生活・職業・趣味など)や性格なども影響して出来上がっています。

 

キャラクターを描く上でも、そんなキャラの背景がにじみ出るようなイラストが描けたらいいですよね。

(ハイパー理想)

理想は高く!歩みは地味に…。

 

 

ではでは、今回はこの辺で。

ここまでお付き合いくださいましてありがとうです。

 

よいお絵かきライフをお過ごしくださいな^^

 

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