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人の髪を描くとき、どうやって描けばうまくいくのか?
それはまず、頭の形と生え際、髪全体の形を決めてから描くと崩れない!
髪の毛を描くときに悩む理由。
これをまるっと総合すると、こんな感じではないかと思います。
- 髪の毛って沢山ありすぎ
- どこからどう描いたらいいの
- 形がまとまらない
- 頭の形が変になる
こういったところが、髪の難しいところ。
私もかつては悩みました。
しかし描き方のコツさえ分かれば、そんなに難しいものではないのです。
むしろコツさえ掴めば、描いていて楽しくなりますよ。
失敗と成功
◇ 失敗しやすい理由はどこにある?
- いきなり髪の毛を描こうとする
描き慣れている場合にはいきなり描いたりします。
しかし慣れていない場合には、なかなか無謀な挑戦となってしまいます。
ではどうすればいいのでしょう。
◇ 成功させるために必要なことは?
- 頭の形をあらかじめ描いておく
- 髪の生え方を決めておく
- 髪型をイメージして決めておく
- 髪のながれを想定する
こんな感じかな。
文字だけ並べると、沢山あって大変なように思えますが、なんてことはない。
やり方さえわかれば、あとは描いてみるだけ!
髪の役割
人物の髪の役割ってなんだと思いますか?
人間の大事な頭部を守って…というのは人体の話。
イラストなどの場合は、
髪型ひとつで人物の雰囲気や持ち味を表現したり、
髪の描き方ひとつで、イラストの印象が変わるったりする重要なものです。
髪を描くときには、今描いている人がどんな人物なのか。
キャラクターの見た目や性格などを考えながら描いてみると、想像しやすいかもしれないですね。
ということで、
さっそく実践していきましょう!
人の頭の形を考える
簡単に見ると、人の頭ってこんな感じになっています。
内側に頭骸骨(ずがいこつ)があって、丸い感じ。
イラストを描く上でもマンガのキャラクターでも、人間という設定であるかぎりこんな中身をしています。
細かい骨などを覚える必要は無いのですが、とりあえずしっかり認識しておくことは、髪の内側は頭で皮膚があり、さらに内側には骨があるということ。
つまり髪の毛がどうとかの以前に、頭の形が重要なのでそこを土台として考えよう!
ということです。
頭の輪郭線と生え際を描く
さきほどのような頭蓋骨まで描く必要はないのですが、キャラクターを描くときにはまず、頭全体の形を描きましょう。
頭部の形を把握せず、いきなり髪の毛を描き進めてしまうと、頭の形が崩れたりして失敗の原因になります。
〈 図:正面顔と横顔の例〉
まずは頭の輪郭と髪の生え際を決めます。
・頭の輪郭…水色
・髪の生え際…赤色
☆これを先に描くメリット
- 頭の大きさや形が把握できる
- 頭へこんでる…?などの失敗が減る
- イメージを固めやすい
髪の分け目と流れを描く
〈 図:正面顔と横顔の例〉
次に、どんな髪型にするのか、髪の毛の分け目を決めます。
・髪の分け目…赤色
・髪型や髪の流れ…緑色
☆これをやるメリット
- 髪型がイメージしやすい
- 髪の流れを理解しやすい
- 全体を把握しやすい
線画と仕上げ
〈 図:横顔の線画と正面顔の仕上げ 〉
頭の形と分け目がはっきりとしているだけで、かなり描きやすくなるので失敗が少ないです。
特に初心者さんは、いきなり表面の線だけを追ってしまう傾向があるので注意です。
髪型いくつかのパターン例
ここまで淡々と進めてきましたが、イメージがわかるでしょうか?
参考にいくつかのパターンを描いてみました。
髪結い
髪を束ねている人。
髪をむすんでいるようなときには頭の面を分割して考える。
一本で結んでいるときには分かりやすいけど、これが二つ結びや二段になったりと複雑になるほど、分け目を描いておく方が描きやすいです。
分け目を描き、他はまとまりで見る。
- 前髪
- 結ぶ髪の部分
- 結んだ髪の毛の束
- 残りの髪の毛の束
つじつまの合わない髪型
この髪型は割り切り型タイプ。
これは…マンガによくある、正面と横向きの髪型のつじつまが合わないやつです(笑)
あしたのジョーとかスネオとか悟空とか…その類い。
つまりこーゆー場合の髪型は、髪の流れとか常識無視で考えましょう。
このタイプは、立体を考えてもつじつまを合わせるのはムリなので、あらかじめ顔の角度による髪型の設定を決めてしまうといいです。
(ためしに描いたこの髪型はまだ立体に出来ますなぁ…毛量があれば)
くるくる
くるくる髪。
くるくるとひとくちに言っても、いろいろなくるくる髪がある。
この髪型の場合、くるくるを描くのにイメージし易いのは、
「巻いてあるリボンの巻きを崩す」感じでしょうか。
らせん型。
あとは薄い円柱がいろいろな傾きでくっついていて、丸みを付けたり伸ばしたり。
メリハリを付けるために、ときどき角を付けるようにします。
おまけ話:髪の生え方を理解する
髪の毛には生えている方向があります。
当たり前のことなのであまり意識していないかも知れませんが、髪が生えている方向を意識して、髪の流れを考えて描くだけで自然な感じに仕上がります。
次の例はちょっと上級者向け。
はじめはここまで出来なくてもあたりまえで、いきなりはむずかしいと思うけど、知っておくといいですよ。
描いていくうちに身につきます。
◇ 髪が生えている方向に逆らっている髪型1
例:ゆるめのポニーテール
ポニーテールの場合、髪の生えている方向と逆に引っ張る部分のある髪型なので、髪の流れがとどこおる部分が発生する。
・髪の生えている方向…赤色
・髪の生えている流れに逆らうため、髪にうねりが発生している…青色
髪の「うねり」や、自然に下がる「たわみ」を描くことで、自然な髪の流れに見せることができる。
頭部側面や耳の上、後頭部の髪などは、たわみやうねりが出やすい。
☆前髪のハネは、本来は前下方に落ちたいけど他の髪の毛とのからみで上に向く毛。
☆結っている部分のはねは、髪が充分伸びていない毛で、重力が及ばずはねている。
もしくは、くせ毛ではねている。
このような後れ毛を描くのも自然に見える。
◇ 髪が生えている方向に逆らっている髪型2
例:きつめのポニーテール
髪のたわみや、うねりが極端にない髪結い。
髪のとどこおりをなくして、まっすぐ頭の形状に従って、むりやり結って固めた場合。
ちょっと不自然に見えますよね。
しかしこんな髪型もあるのです。
☆職業柄、髪を結って固めている人の頭はこんな感じ。
そんな頭をアップでよく見ると、髪の生え際には強制的に引っ張られているうねりがあります。
(この絵では表現していませんけど)
お相撲さん、シンクロナイズドスイミングの人、バレエ、舞台俳優さんなどなど。
☆敢えてまっすぐ描いたりもすると思うので、そこは好き好きにどうぞ。
いろいろ考えて描き分けてみましょう。
まとめ
髪の毛は頭に付随するもの。
髪を失敗しないで描くためには…
-
- 土台である頭の大きさ、形を決めておく
- 生え際を決める
- 全体の髪型を決める
- 分け目を決める
- 髪が生えている方向と流れを意識する
普段から自分の頭部や周りの人、写真などを観察してみましょう。
そうしていろいろな髪型を描いてみて、自分なりの描き方を模索してみましょう。
それではおつかれさまでした。
楽しいお絵かきを!