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頭部と首の構造を知ろう!
人の顔を描くとき、はじめにどうしていますか?
目から描く?
鼻から?
輪郭から?
そういえば、頭のてっぺんから描くという方も居ました。
そんな風に一部分から描いてキレイに仕上げられたらいいのですが、たいていは「なんだか変」ということになります。
それはなぜか?
顔の一部分だけ見て描いてしまうと、全体のバランスが崩れやすいからです。
顔は頭部の一部なので、丸ごと考えていきましょう!
構造を知る
人を描くときには、構造を知ることが大切。
それは何故か。
マンガを描くときや一枚のイラストであっても、人物を動かすときに関連してくるからです。
体の構造を考えず(知らず)に動きのある人物を描くと、どこかに不自然さが出てくるもの。また、構造を知って描くのと知らずに描くのとでは、絵の仕上がりにも差が出ます。
人体の構造って見て知っているつもりでも、いざ描くとなると分かっていないことも多いなと気づくのです。
どうしても崩れてしまう、なにかがおかしい…
という場合は、構造にズレが生じているのかも。
それが大きな間違いでなくても、どこか食い違いがあるだけで何気なく違和感を感じたりするものです。
リアルな絵ではなく、デフォルメした絵ならば関係ない。
そう思うかもしれないけど、リアルな絵とデフォルメした絵では、各パーツの大きさやバランスが違うだけで、構造は同じように考えます。
つまりどのような絵柄であれ、人は人の構造でほぼ変わりはないのです。
頭部(顔)と首の構造
では大まかに人の構造を見ていきましょう。
構造というとなんだか難しそうだなーって思うかも知れないけど。
なるべく簡単にやりますよ。
私も難しいことは苦手ですからねー(^^;)
〈人体の簡略図〉
上の図は、分かりやすくするために骨を簡略化し、色分けしたもの。
- 緑色…頭蓋骨(とうがいこつ):頭の骨
- 橙色…下顎骨(かがくこつ):下顎(したあご)の骨
- 水色…頚椎(けいつい):首の骨
首の骨は7つの骨が連なっている(図では省略)
だいたいこんな感じなんだなという程度に見てください。
名称とかは覚える必要はないです。
ここで押さえておくのは、目・鼻・口(顎)・耳・首の位置関係とつながり。
目の部分の空洞には目玉が入ります。
外耳道(がいじどう)は耳の穴。
乳様突起(にゅうようとっき)は耳のすぐうしろの骨。
耳の上部はほぼ目の高さから始まり、乳様突起の位置あたりに耳たぶがくる。
首は、両耳の間から体へ伸びていると思えばいいでしょう。
耳と首の位置は重要ですので、しっかり覚えておきます。
この位置関係が大きくズレなければ、ある程度自然な人物を描くことが出来ます。
目や鼻など、顔の各パーツの大きさなどは、あなたの絵柄に合わせて調整するとよいでしょう。
キャラクターを作るときにはあらかじめ設定を作っておくと、迷わずに安定して描くことができ、修正などの手戻りも少なくてすみます。
それらの詳細については、おいおい別の記事で書いていくことにします。
頭部と首の動きを知る
体には動く部分(関節)があります。
もちろん、頭と首にも動く部分がある。
- 頭と下アゴの関節:顎関節(がくかんせつ)
- 頭と首の関節:環椎後頭関節(かんついこうとうかんせつ)
- 首の関節:環軸関節(かんじくかんせつ)、椎間関節(ついかんかんせつ)6箇所
名称は覚える必要はないですよ。
頭と下アゴの関節
〈上図左側〉
■ 口を閉じているときの顎
顎(あご)の付け根の「顎関節」は、耳の穴より少し前側にある。
〈上図右側〉
■ 口を大きく開けたときの顎
顎先が下がるとき、顎関節は前へスライドする。
アゴの構造は見えない部分なので、こまかい骨の動きは覚えなくてもいい。
ただ、アゴが動く位置を知っておくと、口を開けた絵を描きやすい。
☆ 口を大きく開けた絵は、顎を意識して描くと説得力が増す。
☆リアルキャラを描くなら、大口を開けたときに浮き出る顎のスジを描いたりするとリアルで迫力が出る。
顎は大きく縦に開いたり、前に出したり引っ込めたり、横にずらしたりできますね。
口を大きく開くときには特に、顎関節の位置を意識して描かないと、口のゆがんだ変な絵になってしまいがちです。
顎の動き、口の開き方はどんな風に見えるかを、自分の顔を触ったり鏡を見て観察してみましょう。
漫画などでは表現を大きく見せるために、通常の可動範囲よりも更に大きく口を開けさせたりしますが、そんなシーンで説得力のある絵を描くためには、基本の構造を知っておくことが大事なのです。
頭と首の関節
頭は上下左右に動きますが、実際に動くのは首。
下図ように、緑の○の部分に頭と首との関節があります。
ここから首が出ていると考えて描くといいでしょう。
この位置を覚えておくだけでも「首はどこから出てるんだろ?」という迷いは
なくなると思います。
〈上図〉頭と首のつながり、動きを描いたもの。
水色の部分が首の骨(頚椎)
☆首は7つの骨が連なって動く。
そのため、伸びたり後ろにカーブした動きができる。
☆頭の動きの中心点は、両方の耳たぶ辺りの奥中心にある。(緑の○)
そこを中心として頭を動かすと、わかりやすく描きやすい。
首は斜めになっているし、角度によって見え方が違う。
どうなってるのかわかりづらい、なかなかクセモノな部位ですよね。
この記事を読んでいるあなたはきっと、構造を理解して描けるようになりたい!という向上心から来てくださったと思います。
理解しながら描いていくと、長く悩まず成長も早いと思いますよ~(しみじみ)
余談ですが…以前の私はよく、キャラクターにタートルネックを着せていました。
明らかに首隠し…逃げですね。
そんなことばっかりやってると、いつまでたっても上達しませんよ(苦笑)
首の関節
首(頚椎)の骨は複雑な形をしています。
7つの骨が連結しており、それぞれに関節がある。
そして上は頭に、下は胸椎(背骨)へとつながります。
頚椎は動きによって大きく表面に出るというものではないので、詳細の図は省略しました。
首の骨は単独では動かないもの。
頭を動かしたり身体を動かしたりするときに連動して、首に動きが出るのです。
ですから、首の骨の動き自体はあまり気にしなくてもいいと思います。
気にするのは、首の位置と可動範囲くらいでしょうか。
可動範囲というのは、人体の構造上動きが可能な範囲。
あまり角度とかを気にしすぎると、動きの堅い絵になってしまいそうなので、ここでは特には書かないことにします。
実際の人の動きを見たり、自分で動いてみるのが一番いいでしょう。
ただし、身体に故障がある場合には注意。
無理なポーズを取るのは、身体に負担がかかるのでやめましょう^^;
漫画やアニメキャラクターの何気ないカワイイポーズやカッコイイポーズでも、生身の人間には無理!ってポーズは意外と多いです…。
基本的には「気持ち悪く見えないポーズ」ならばOKかと思います。
まとめ
人の顔を描くには…
☆頭部の構造を知ろう!
- 目・鼻・口(顎)の位置
- 耳の位置と首の位置
- 首は両耳たぶの奥中心からつながっている
☆動く部分を知ろう。
- 顎の動き
- 頭と首の動き
結論:顔だけ描こうとしないこと。
頭の構造と首の繋がりを知って、頭ごとまるっと描いちゃいましょう!
顔や首の具体的な描き方については、また別記事にて順次お伝えしていきます。
ではでは今回これにて、おつかれさまでした。
楽しいお絵かきライフを。