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需要があるのかないのかよく分かりませんが…
今回は後頭部!
後ろ頭メインのおはなしですよ。
あなたは、自信をもって後頭部が描けると言えるでしょうか。
(言える方はそもそもここには来ないでしょうね^^;)
イラストで後頭部だけ描くことってなかなか無いかもしれないけど、人を描く上では必須ですよね。
苦手だからと後頭部を避けていては、イラストもマンガも表現が制限されてしまいます。
後ろ頭を描きたいけれどうまくいかない…という場合は、どこがどう、うまくいかないのでしょうか。
後ろ頭が描けない理由
その原因と理由が自分でわかると、すごく上達するきっかけになります。
そしてその問題を解消したときには、あなたは以前よりずっと成長していることでしょう。
まずは、どこがどう、うまくいかないのか?
- 顔と後頭部のバランスが取れない
- 耳がなんかおかしい
- 首の付き方が変…
こんなところでしょうか。
では何故、そうなってしまうのか?
- 頭の形を考慮せず、いきなり髪の毛をなんとなく描いている
- 耳はこの辺、首はこの辺…あれれ???
人の顔面はよく見るし、描くときにもイメージしやすい。
模写をするときにも、見た目が分かりやすいので描きやすいですよね。
では何故、後頭部や頭全体はわかりにくいのでしょう。
見慣れることはとても大切!
顔は見慣れているけど、それ以外の部分、つまり後頭部は見慣れていないんです。
「頭の形や耳の見え方、首のつながり」なんてものは、意識していないと殆どまともに見ることは無いでしょう。
それにたいがい「髪の毛」が邪魔をして、観察もしづらいですよね。
(観察するには短髪の人がいいのですが…あまりジッと見過ぎると色んな意味で疑われるので気をつけましょう)
猫を描くのがとても上手な人は、猫を飼っていたりします。
犬も鳥も、その姿を、動作をよく見ているから、ちょっとした角度や仕草をうまく捕らえ、その雰囲気まで醸し出せる。
人の似顔絵でも、知り合いを描くのと知らない人を描くのとでは、その完成度は変わってきます。
見慣れていると、とてもイメージがしやすいんです。
後頭部をしっかり描くために!
後頭部を描くときに必要なことは、第一に頭部の構造を知ることです。
他の部分を描くときにも言えることですが、その対象について知らなければ、うまく描くことは難しいものです。
それはそうですよね。
知らないものは、描きようがないのですから。
- 頭部と耳の接合位置を知る
- 頭部と首のつながりを知る
- 耳の形を知っておく
〈参考りんく↓〉
・人の頭部と首の構造、動きとバランスを知る)
※耳の形は、耳特集やりますのでしばらくお待ちください。
ざっと構造を説明すると、次のようになっています。
(※位置とか構造だけわかればいいです。解説は細かく知りたい人向け。)
〈 真横から見た骨格図 〉
頭部と耳の接合位置:
頭蓋骨の両横に耳の穴(外耳道)が付いており、穴を囲む様に耳が付いている。
頭部と首のつながり:
頭部の下、両耳の穴近くの中心部分から首が繋がっている。
また、この頭部と首のつながり部分に近いところが、首が上下運動をする要(中心)になっている。
〈 真後ろから見た頭蓋図 〉
外後頭隆起:後頭部の出っ張った部分。
盆の窪:後頭部の出っ張りのすぐ下で、へこんでいる。
乳様突起:耳のすぐ後ろの出っ張り。
(絵描きには有名な「胸鎖乳突筋」という筋肉が付着するところ。)
☆真後ろから見ると、顎は見える人と見えない人がいるよ。
今回は解説で終わろうと思ったのですが、真後ろから見た絵を簡単に描けるように、手順を考えてみました。
是非描いてみてくださいな。
真後ろ向きの頭の描き方
頭の構造などを理解して描かないと、なんとなくビミョーな感じになりかねない「真後ろ向き」を描いてみましょう。
使う道具:方眼用紙、鉛筆
◇ 真後ろ向きの頭を描こう
長方形を描く
■ 図の様な長方形を描く(外枠)
後ろ頭のサイズの目安となる長方形を描く。
■ 長方形にヨコ線を引く
長方形の半分のところに横線を引く。
これは頭の中心の位置を知るための目安。
耳を付ける
■ 長方形に耳を付ける
長方形の中心線を目安に、少し下寄りに耳を付ける。
ここで耳を細かく描く必要は無いので、四角でいい。
頭部と顎を描く
■ 頭部の輪郭線を描く
耳の上部から長方形の上部を経由して、反対側の耳の上部まで線を引く。
頭の丸みを意識して、いっぱいに円を描く。
■ 顎の輪郭線を描く
耳の下部から顎の線を引く。
後頭部と首の境目を描く
■ 後頭部と首の境目を描く
顔を上に向けたり下に向けるときの、要(中心)の部分と思っていい。
だいたい耳たぶの位置。
この線は描いても描かなくてもいいのですが、「後頭部と首の境目」の位置なので、後頭部~首を含めた絵を描くときにわかりやすい。
首を描く
■ 首
先程の「後頭部と首の境目」の位置から首が出ます。
※首を太くすると、首より奥の顎は見えなくなります。
不要な部分を消す
ここまでで、こんな感じですね。
■ 不要な線を消す
ここから、元の四角や補助線を消していきましょう。
真後ろ向きのベースが完成
全ての不要な線を消したら、こんな感じになります。
肉付けする
■ 先程作ったベースから、肉付けする
頭の形は人それぞれ。まん丸にしたり四角にしたり尖らせたり…。
耳を耳らしく。厚みをもたせましょう。
■ 首の両側のへこみを描いてみる。
後頭部と首の境目の両端に出るくぼみは、描くとそれらしく見えます。
人により浮き出たり出なかったりなので、キャラクターによって使い分けてもいいでしょう。
いかがですか?
真後ろ向きの人っぽく描けたでしょうか。
ここまで描けたら、ポニーテールの後ろ姿とか、モヒカン頭とかを好きに描いてみましょう。
まとめ
後頭部をそれらしく描くには…
- 頭と首、耳の構造を知ること。
- 各部位の位置や境目(接合する位置)を把握すること。
- 映像でも実物でも、ちょっと意識して観察してみること。
あ、あとは描き慣れること、ですね。
頭の土台をしっかり描いてから髪の毛を描く様にすると、とても説得力のあるしっかりした後ろ頭を描けると思います。
いろいろな髪型を合わせて遊んでみると楽しいですよ。
今回も最後までおつきあいくださって有難うございます。
それでは、楽しいお絵かきタイムを。