この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。
折角イラストを描いたのに、なんだか首が歪んでる? え、折れてる!?
なんてことにならないように…。
首を自然に見えるように描きたかったら、首がどうなっているのかを知ろう!
人を描くとき、首をどう描いていいのかわからないことってないですか?
私は首の描き方で悩んだことがけっこうあります。
首は身体の中では短い部分ですが、なぜ悩まされるのでしょうか?
それは…
首は角度やポーズなどによって、違う見え方をするからではないでしょうか。
今回は、頭~首~胸元までの繋がりと、方向によってどのように見えるのかを整理していきます。
終わる頃には少しでもスッキリしているといいなぁ~(笑)
首の構造と筋肉の繋がりを簡単に知ろう
まずは、首がなぜ描きにくいと感じるのかを考えてみましょう。
・首のイメージが掴みにくい
・構造がよくわからない
・仕草や見る方向によって違って見える
…などなど。
いくつか考えられると思いますが、共通点は、「首について不明瞭なため」ではないかと思います。
つまり、よくわからないから描けない。
では、わかったら…?
描ける見込みは出てきますよね^^
「よくわからないから描けない」ものって、構造をあるていど把握できるようになれば、描けるようになることが多いのです。
何故かというと、構造のよくわからないものって描きづらいし、そもそも「よくわからないものを描きたい」って無茶な話ですよね。
以前にも描きましたが、構造なんて知らないけど描けてるよ~!という絵師は、模写や観察力で目と手を養い、感覚でわかっているのです。)
首のイメージは人それぞれ?
首はどんな風にイメージされているのでしょうか。
イラストで人(キャラクター)を描く方は大勢いますが、描き方はさまざまですね。
どんな描き方が出来るのか、私も試しにいろいろ描いてみました↓
上の図を描くときには、「こんな首を描こうか」と決めて描きましたが、やはりイラストの画風も首に合わせた雰囲気の表現になりますね。
当たり前なのですが、首を描くときには、描き手の首のイメージが描き方に反映されます。
インターネット上で「首の描き方」として紹介されているものの中で、時々「ん?」と思うことがあります。
それは、「首は真っ直ぐに描く」と書かれているものと、「首はカーブしている」と書かれているものがあること。
…真逆ですよね。
首の描き方について悩んじゃうことの1つは、頭の中で情報が整理されていないこと。
ほんとは何が正しいの?と思っていると、どう描いていいのかわからなくなりますよね。
おそらく先程の例の場合は、「首は真っ直ぐ」と「首はカーブしている」という答えの前提条件が違う話だと思われます。
インターネット上には情報が沢山ありますが、「あれ?」と思うことはよく調べてみたり、精査してみて納得のいくようにしておくといいでしょう。
しかし、「真っ直ぐ」と「カーブ」とでは真逆なので混乱してしまいますね。
一見すると、これはどちらが正解?間違い?と思っちゃいますが、実はどちらも間違いではありません。…というと意味がわからないので、ちゃんと説明しますね。
「人間の首は真っ直ぐかカーブしているか?」と問われれば、「カーブしているのが健康的な状態の首」という答えになります。
(真っ直ぐな首はストレートネックと言われ、よくない状態の首で、生活習慣や事故などで発生します)
「イラストを描く上で、首は真っ直ぐかカーブしているか?」と問われれば、「画風にもよるし首の状態にもよるし、どんな人(キャラクター)を描きたいかでも違うよねぇ…」などと答えてしまいます。
まぁ、そんなこと言っていたら何でもありになっちゃうわけですが…。
個人的には、リアル系でもデフォルメ化した漫画・アニメ絵などでも、人間の構造を基本にすることで全般に対応できると思っているので、ここでは人間の構造を基本に話を進めていくことにします。
首と周りの部分の構造を見てみよう
首回りの構造を描いてみました。
横向き、前向き、後ろ向きと、見る方向によって首は違うように見えますね。
首を描くとき、更に形状をまどわされるのが、筋肉です。
首の動かし方で筋肉は伸ばされたり縮んだりして、首の形状は変わって見えます。
首には沢山の筋肉がありますが、表面によく浮き出て見えるのは、胸鎖乳突筋と僧帽筋です。
この2つの筋肉がどう繋がっているのかを確認しておきましょう。
首は頭と身体を繋いでおり、少し斜めに、緩やかなカーブを描いている。
この首のカーブは、姿勢によっても動かし方によっても変わってくるし、個人差もあるので、だいたいの目安として見ておきましょう。
喉仏って男性にしかないの?
男性を描くときには、喉仏を描くと男性らしく見えますよね。
では女性には無いのか…というと、実はちゃんと女性にも喉仏はありますよ。
ただ男性の喉仏の方が突出しているので、よく男性の特徴としてイラストに描かれるのです。
女性でも喉仏を含めた気管上部が浮き出て見えることはよくあります。
特に細身の人や、首の細い人に多く見られます。
痩せ型の人を描くときには、試しに描いてみるといいでしょう。
描き方としては、男性ほど突き出た感じではなく、軽く線を入れるだけで雰囲気が出ます。
「1.1 首のイメージはそれぞれ?」の挿絵の1番右端の人物の首も、気管の上部を描いています。
下図の真ん中に描いたのは、「かなり痩せすぎ」の女性です。
(皮膚下の筋肉とか骨とかを浮き出ているように線を描くと、かなり痩せている人のように見えるでしょ!?)
首の見え方について整理してみよう
首の見え方は、動作によってどう変わるのか。
首は7つの骨(頚椎)が連結しており、連動します。
その首の骨のひとつひとつには筋肉が付着し、一緒に動きます。
そして更に頭や肩などが動くと…もう総動員して動くので捉えどころがなく、首の形状を把握しづらくするのです。
色んなポーズをいっぺんに見ても混乱してしまうので、今回は肩や身体は動かさずに頭を動かすことで、首の動きを捉えてみることにしましょう。
〈↓身体が正面向きの場合の首〉
〈↓身体が後ろ向きの場合〉
〈↓身体が横向きの場合〉
いかがでしょう。
身体を固定して見てみると、首はシンプルに見えてきますね。
まとめ
首が不自然に見えないように描くためには…
・首の構造と筋肉の位置を知ろう
・首の見え方を整理しよう
首がどんなものかを知り、整理することが出来れば、準備は整ったも同然!
イラストを描くときに、首がどう見えるのかとイメージしやすくなり、自然な首を描くための手助けになるでしょう。
首の描き方については、また長くなるので次回に繰り越し。
(どうやったら簡単に描けるのか…分りやすく伝えられるのか…と試行錯誤しているところです/^^;)
それでは、今回はこの辺で。
よいお絵かきタイムをお過ごしくださいませ^^