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イラストを描き始めるとき、
まず顔から描くという人は多いでしょう。
私もそうでした。
その顔を描くときに、
初心者さんの悩みどころの定番として
「耳」がありますよね~。
耳は顔の真横にあって、出っ張っている。
正面を向いても斜めを向いても耳は見える。
耳を描くときにまず悩むのは、
耳の位置や見え方です。
そして耳がどうなっているのか、
見え方がいまいちよくわからない。
つまづくのはこのあたりですね。
耳の位置や見え方については、
前回の記事で解説をしたので
こちらへどうぞ → 耳の位置を知ろう
今回は、耳の位置のおさらいをした上で
耳をどう描いていくのか、
ということをやっていきますよ。
耳を描く前に
まずは耳を書く前に、
耳の位置や見え方について
簡単におさらいをしておきましょう。
頭の向きと耳~おさらい
耳を描く上で最低限知っておくのは、
耳の位置。
そして耳の向きですよね。
【図1-1:耳の位置と見え方、耳の向き】
耳の位置は、
頭の真横から見ると真ん中より少し後ろ側。
耳の上が眉のあたりと同じくらい。
耳の上の付け根が目尻くらい。
耳の下が鼻の下と同じくらいの位置。
そして耳は少し斜めになっています。
耳の位置や傾きも人それぞれなので、
参考までにだいたいの目安として
覚えておきましょう。
耳全体の形を把握する
頭(顔)を見る方向に従って、
耳の見え方も変わります。
耳は立体的なので、ここが少し厄介です。
耳の形を頭の向きとともに
まとめてみました。
【図1-2:耳の形を把握しよう】
だいたいこんなふうに見えるよね~
という感じで描いてみました。
耳の形や厚み、角度なども
人によって少しずつ違います。
なので厳密にこうだ!というわけではない
ので、囚われすぎないようにしましょう。
イラストは必ずしも
リアルに描く必要はないもの。
それらしく見えたら成功なのです。
耳の描き方
さて次に、いよいよ耳の描き方について。
ここまででわかるように、
耳を描くためにはまず
描きたい頭の向きを決めてから
耳の位置を決める必要があります。
ということで
次の手順で耳を描いていきましょう。
- 耳の位置を決める
- 耳を描く
耳の位置を決める
まずは描きたい頭(顔)の向きを確認して
補助線を入れ、耳の位置を決めていきます。
顔(頭)に補助線を引く
顔(頭)に横の補助線を入れます。
【図2-1-1-1:横の補助線を引く】
(横線:緑色)
- 眉下から耳の上へと繋がる水平線
- 目尻あたりを通る水平線
- 鼻の下から首の付け根あたりへの水平線
次に、縦の補助線を入れましょう。
【図2-1-1-2:縦の補助線を引く】
(縦線:緑色)
- 頭頂部から顎(あご)にかけての顔の正中線
(縦線:青色)
- 頭頂部から頭部の真横にかけて下ろす縦線
なお、後ろ向きの水色線は
見えない顎の線を想定して引いたもの。
補助線を引くのは、目鼻を描くときと
同じように、位置を把握しやすくするため。
頭の形状に沿うように描けるといいけれど、
はじめのうちは少しむずかしい。
真正面や真横向きのように、
ほぼ真っすぐの線でもいい場合には
まっすぐ描いてしまうといいでしょう。
しかし斜め向きなどは、やはり曲線で
補助線を描くしかないこともあるので
少しずつでも描いて慣れていきましょう。
練習方法としては、新聞やチラシなどに
掲載されている顔写真に、直接線を引いたり
してみるのもいいかもですよ~。
耳の位置を決める
さきほどの補助線を頼りに
耳の位置を決めます。
【図2-1-2:耳の位置を決める】
(朱色の斜め線)
眉から伸びる横の線と鼻の下を通る横の線。
そして顔の真横を通る縦の線の位置あたりに
少し斜めの線を引く。
頭の角度によっては、
耳が斜めに見えたりまっすぐ見えたり
するけれど、だいたいでかまわない。
耳の形と大きさを決める
耳の位置が決まったので、
耳の外側の形と大きさを決めて描きます。
【図2-1-3:耳の形と大きさを決める】
(小豆色の線)
- 耳の形と大きさを決める
耳の縦の大きさは、眉から鼻の下あたり
までの幅とだいたい同じ。
耳の幅は、耳の縦の長さとバランスが
よいように描きます。
ここまでで耳の位置と外側の形は決まり。
次は耳の内側の描き方です。
耳を描く
それでは、先ほど決めた耳の位置に、
耳を描いていきます。
耳は見た目がちょっと複雑ですが、
順に描いていくとそうでもない。
ここでは例として、
ほぼ真横から見たときの耳を
描いていきましょう。
【図2-2:耳の描き方手順】
すでに描いている耳の外側の形を元にして
耳の内側を描き入れていきます。
- 耳の外側(耳輪)を描く
- 耳の内側(対耳輪)を描く
- 三角窩を描く
そして整える。
そのあとの、リアル気味な形にしたり、
影を入れてみたりするのはお好みで。
複雑に見えるものは、まず単純化する。
そこからバランスを取りながら
細部を描き入れて形を整えていく。
ひとつの例として
耳の描き方を図に示しましたが、
自分なりに描きやすいように
単純化した形状を決めて
描いてみるのもいいですよ。
絵柄に合わせた耳を描こう
耳はあまり目立たないけれど、
あまりに絵柄に合わないと
違和感が出ることも。
リアルな絵ならリアル耳、
単調な絵なら単調化した耳と
絵柄に合わせた耳を描いてみましょう。
【図3:いろいろな耳を描く】
例としていくつか絵柄を変えて人物を描き、
それに合わせていろいろな耳を
描いてみました。
いかがでしょうか~。
いろいろと好きなように描くのは
楽しいものですよ。
何にしてもそうですが、
必ずしもリアルに描く必要もないので、
耳の位置や形などの基本をおさえた上で
いろいろな耳を描いてみるといいでしょう。
リアルな耳、ちょっと省略した耳、
思い切り簡素化した耳など。
どのような耳を描くのかは
描き手の好みですし、
描いてるうちに描き方の癖なども
決まってきます。
描き慣れていないうちはまず、
自分で写真や資料などを見ながら模写しつつ
手に覚えさせて描いていくのがいいかな~
と思います。
耳の描き方~人外の場合
イラストで耳を描くとき、
なにも人の耳ばかりとは限らないですよね。
漫画やアニメなど、
絵やイラストの世界では何でもありです。
ということで、
次は人以外の耳を描いてみましょう。
人間ベースの耳…エルフなど
人の頭に動物の耳を付けるキャラもいれば、
人の姿と似ているけれども人ではない、
エルフのような者を描くことも
ありますよね。
人と似た姿をした者の耳は、
やはり人の耳と同じ位置に
耳を付けるのが自然でしょう。
私も昔はよくエルフの耳とか描きました。
とある漫画が大好きだったので、
もう人の姿を描けば耳を尖らせるという…笑
エルフ的な、人ではない人を描くのが
とても好きでしたね。
ということで、尖った耳やらいろいろを
描いてみましたよ。
【図4-1:人外の耳】
顔は手抜きで同じなので、
雰囲気の合わないやつがおりますが
ご了承くだされ…。
エルフの耳や想像上の存在の耳などは
やはり実在する生物の耳を模して
そこから発展させてアレンジする方法が
リアリティが出るのかなと思います。
あまりに突拍子もない「耳」を描いてみても
見る人がピンと来なければ、実在感のない
空虚なものになりかねないですから。
それは耳に限らず、
想像上の生物を描くときは実在する生物から
ヒントを貰って描いてみるといいでしょう。
ぐっと存在感が増すものです。
動物ベースの耳…ケモミミ
人の耳以外でよく描かれるのは動物の耳。
人の頭に、動物(獣/ケモノ)の耳を付ける
というようなもの。
人のキャラによく描かれる動物の耳は
次のようなものが多いですよね。
- 猫の耳
- 犬の耳
- 狐の耳
- 狼の耳
- 兎の耳
人の頭にケモノの耳を描くときには、
基本的にその動物と同じ位置に
耳を付けるというものが多い。
それは耳そのもの、
あるいは付け耳のようなものであっても、
そのほうが自然に見えるからなのでしょう。
【図4-2:獣の耳】
人に獣の耳を描くときには、
左右同じ位置に耳がつくので
カチューシャをしているように位置を決め、
その線上に耳を描きます。
特定の動物の耳をつけたい場合には、
その動物の写真を参考にすると
いいでしょう。
動物の耳は動くので、
立った耳、たれた耳など、
耳の動きを描くことで
感情を表すということもできます。
人の顔の表情と耳の表情とが合えば
リアリティのある表現ができるでしょう。
余談。
ちょっとした謎…ですが、
ケモノの耳をつけたときに
人の耳の場所はどうなっているの…?
という疑問がありますよね~。
獣の耳と同時に人の耳もあるのか、
はたまた動物の耳だけで
人の耳は持ち合わせないのか…
これはキャラ設定で決めてしまえばよく、
私が決めることではないため~
…謎は謎のままにしておきましょうか(^人^)
ということで、
そのあたりは設定でご自由にどうぞ。
まとめ
今回は耳の描き方について書きました。
【耳の描き方】
- 耳の位置を決める
- 耳の形を簡単に描いておく
- 耳の細部を描いていく
イラストを描くときって
だいたいこの手順ですね。
耳の難しさというのは、
頭の角度によって違って見えること。
これは頭全体と耳の形を、
セットで見たり描いたりしているうちに
自然にインプットされるようになります。
イラストは正確でなくとも、
「それらしく見える」ということが大事。
顔のいち部分だけしか見ていないとか、
耳だけ見て描いているのでは
なかなか身につかないことなので、
人の顔を描くときには必ず
頭全体を捉えて描くようにすると
よいでしょう。
耳を含めて頭を自由に描けるようになれば、
その他の人外の耳なども好きなように
創作して描けるようになっていきますよ。
それでは今回はこのへんで。
ここまでおつかれさまでした。
よいお絵描きタイムをお過ごしくださいな♪