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デフォルメキャラを描くときには…
シルエットを描いてバランスを整えよう!
デフォルメという言葉はよく聞きますが、もともとの意味は対象を「変形させる」というものらしいです。
ここでは、イラストや漫画、アニメ世界での「デフォルメ」したキャラクター(キャラ)を描くことを考えます。
デフォルメしたキャラというと、チビ化したキャラとか、頭身の小さいキャラを思い浮かべます。
あとは、一部分を誇張した似顔絵なども面白いですよね。
デフォルメキャラを描く前に、まずは頭身についての話をしていきます。
デフォルメと頭身
「頭身」というのはよく、「○頭身」とい言い方をしますね。
○頭身というのは、「頭いくつ分の体長であるか」というものです。
〈下図:6~2頭身のキャラクター〉
1番左のキャラは6頭身。頭6個分の身体の長さがあるということ。
頭の大きさも身長も人それぞれ。頭が小さくても、身長が低い人もいれば、高い人も居る。
その逆もありますが、世界的に、頭身が高い方が格好が良いとされ、モデルさんは8~9頭身あるといいます。
キャラクターを描くときにもよく「頭身」を基準に身体のバランスを見るのに使われます。
イラストや漫画、アニメなどで描かれるキャラクターは6~8等身くらいが多いでしょうか。
対して、等身の小さいキャラはギャグ調に使われるのをよく見かけます。
どのくらいの頭身で描くのがいいか?というのは、好みにより人それぞれです。
ちなみに、図には6~2頭身しかないのですが…これは単に私の好みです(笑)
頭身についてはまた別記事で書くので、そのときには9頭身に挑戦してみますね…(描きにくい)
絵を沢山描いている方でも、いつも高めの頭身を描いている場合は、低い頭身を描くのが苦手。
逆にいつも低い頭身を描いている場合は、高い頭身を描くのが苦手だと聞いたことがあります。
私の場合は前者でした。
高い頭身に慣れていたので、低い頭身を描くことは難しいことだと感じていました。
しかし何度も描くうちに、コツみたいなものが掴めたのか、描くのが楽しくなったのです。
そもそも、何故頭身が低いキャラは難しいと感じるのか…
それは単に、短いゆえ!です(笑)
短いところに、首も肩も胴も腰も脚も…!!
って詰め込もうとするから難しいと感じるのです。
ここで大事なのは
「いかに省略するか」
これに尽きます。
省略して描くことって、簡単に思えますよね?!
でもこれがなかなか、うまくいかないのですよね。
ここがミソなのです!
何をどう省略して描けばいいのか、悩むのです。
しかし、次の方法で描いていくと、特に省略せねば…みたいな事を考えずに描けてしまいますよ。
それでは、どうやって描いていけばいいのか、ひとつずつ見ていくことにしましょう。
楽にキャラクターを描くコツ!
コツはまさに、冒頭で書いた、そのまんま。
デフォルメキャラを描くときには、シルエットを描いてバランスを見よう!
です。
シルエットを描いてバランスを取る
イラストを描くときのコツとして、全体のイメージを形作って、シルエットを起こし、細部を描く…と、以前の記事でもお伝えしました。
この方法は、人物をデフォルメし、等身を下げたキャラクターを描く時にはとても描きやすい方法なのです。
(のちほど説明していきます)
まずは、シルエットを描いてバランスを取るということの説明をしていきます。
先程の6~2頭身の図を見てみましょう。
〈図1〉
このイラストをいきなり、このままの線どおりに描こうとすると、なかなかきびしいものです。
私はつい癖で、細かいところから描いてしまいがちなのですが、いきなり細かく描きだしてもいいことはあまりありません。
いきなり多くの線でバランスをとっていこうとすると、けっこう手間がかかるのです。
なぜなら、ひとつひとつの線に惑わされ、全体の形がわかりにくくなることがあるためです。
(逆にそのまま模写をするという練習方法もあったりはしますけど)
ではどうすればいいのでしょうか。
答えは簡単。
簡略化した全体の形(シルエット)を描き、そこから詰めて描いていく。
ただそれだけ。
当たり前と言われれば当たり前なのでしょうけど、この当たり前をちゃんと出来るかどうかで、描く手間もずいぶんと変わってきます。
シルエットを描く
〈図2〉
こんな状態のことを、「シルエット」と私は呼んでいます。
全体のバランスを見るのには、この程度のシルエットがあれば充分。
この段階でバランスを取る作業をすると、細かい部分的な事を考えずに済み、シンプルに見ることが出来るのです。
特に描き慣れていない頭身の場合は、この手順を追って描いていくだけでも、完成度がずいぶん違ってくると思いますよ。
シルエットが決まれば、次にいきます。
シルエットを詰める
〈図3〉
先程の状態から少しずつ、人らしい線を細かく描いていきます。
この段階でも、バランスの調整をしながら描いていきましょう。
手を加える度に、全体のバランスを見ることを忘れないで。
人らしい形に
〈図4〉
身体の線を描くことができました。
ここから服を着せたら完成です。
できあがりは〈図1〉のとおり。
このように手順を追いながら描くことは、いきなり細部から描くよりも面倒に思えるかも知れませんが、実はこちらの方が効率がよかったりするのです。
試しに、苦手な頭身を描いてみましょう。
デフォルメした2頭身を描いてみよう!
では次に、先程と同じような手順で、描きにくそうな2頭身を描いてみます。
2頭身、その1
〈図5:2頭身1…シルエット〉
・頭…楕円を描く
・首…首はここにある!というのがわかるくらいの線を引く
・身体…こんな感じ~と、バランスを見ながら人型を作ってみる。
細部は一切気にしないこと。
大雑把な身体のシルエットを決めていけばいい。
〈図6:2頭身1…人らしい身体に〉
つぎに、先程決めたシルエットに沿って、人らしい身体の線を描いていく。
1番左の頭部の近くに描いているメモリは、顔のバランスの目安。
〈図7:2頭身1…服を着せる〉
次は、どんなキャラクターにするのか想像しながら、大まかに線を入れる。
髪型、顔、輪郭、服装…。
☆私が描くときに意識していること
・ 短い頭身の場合、丸みを強調する方が立体感が出るので、円を意識。
・ メリハリを付けたいので、身体の動作や洋服の裾などに逆三角形を用いる。
〈図8:2頭身1…仕上げ〉
容姿や服装だけでなく、性別や年齢、雰囲気などを考えながら細かく描いていく。
…とかいいながら全員制服に見えるね。今気づいた…(^_^;)
2頭身、その2
今度は、ちょっと複雑な形の2頭身。
複雑な形を描こうとするとバランスが取りにくくなるので、簡単な図形を取り入れて組み合わせて描いてみよう。
〈図9:2頭身2…シルエット〉
シルエット…というか、図形を描いているみたい。
単純な姿ならシルエットも描きやすいけど、ちょっと複雑な場合には描きにくい。
そんな場合は、図形を組み合わせるのもひとつの手です。
描くときに必要なのは、イメージする形をどうやって紙に描き出すかということ。
そのイメージを掴みやすくするためには、どんな描き方が描きやすいのか、いろいろやってみよう。
〈図10:2頭身2…仕上げ〉
1と比べてずいぶん手順を端折りましたが、先程と同じです。
沢山描いていくと、手順をいくつか飛ばしても、頭の中のイメージだけで描けるようになっていきます。
2頭身、その3
またもちょっと形を変えて…だいぶんおふざけが入ってしまいましたが、「形を変えてみるといろいろ作れますよ」ということ。
2頭身は、描き慣れてくるととても楽しいので、どんどん描いてみましょう。
〈図11:2頭身3…シルエット〉
1番左のような体型の2頭身はときどき見かけますよね。
腰に重心があって、可愛らしい感じ。
右側の体型は、敢えて首をなくしてみました。
2頭身を描くときには、どうも首を持て余す傾向があるようですね。
私個人は、首があった方が描きやすいと思います。
ですが、初めの段階では、首はしっかり描かない方が全体のシルエットが決まりやすいです。
〈図12:2頭身3…仕上げ〉
なんか変な並び(笑)
1番右は、形としては首なしにしましたが、丸首のシャツを着せたので、短くともちゃんと首があるように見えますね^^
真ん中は、ぬいぐるみ…と思いすぎて、顔が動物系になってしまいました。
あ、ポーズが最初と違うのがいくつか…気にしないの。
ここまで、いくつかの2頭身の形を描いてみましたが、いかがでしょうか。
この中に、あなた好みの形がないとしても、これらをアレンジして描いていくなかで、きっと理想の2頭身キャラが描けるようになることでしょう。
まとめ
デフォルメキャラを描くときのコツは…イラストを描くときのコツと同じ。
シルエットを描いて、バランスを整えること!
手順はつぎのとおり。
1. 裸状態の人体シルエットを描いて、バランスを整える。
2. 少しずつ身体の線を描いていき、人型を作る。
3. 人型ができたら、髪型や顔、洋服などの線を大まかに入れる。
4.細部を描いて完成!
高い等身が得意な場合は、4頭身から下が描きづらいのではと思うので、2頭身が描けるようになれば、他の3~4頭身キャラは楽に描けるようになると思います。
また、低い等身が得意な場合は、高い等身が苦手かも知れませんが、同様の方法で描いてみることをおすすめします。
どんな等身でも自由に描くことが出来るようになれば、キャラクター作りも幅が広がります。
シルエットから描くというのは人だけでなく、もちろん他のものを描くときにも有効ですよ。
試しにいろいろ描いてみましょう。
では、今回も長らくおつかれさまでした。
よいお絵かきライフをお過ごしください^^